木炭案内人

「木炭講義 物理の時間」

世界科学者の中で日本人がノーベル賞を立て続けにもらってきました。
ノーベルはなくてもイグノーベル賞をもらったりして(笑)
「あかあかと 一本の道 とほりたり たまきはる 我が命なりけり」
歌人斎藤茂吉の作品ですが、一本の道を通り続けることの難しさ、
険しさが胸を打ちます。道を究めた研究者への最高の賛辞がノーベル賞なのかなと思います。

2010年のノーベル物理学賞は、炭素素材グラフェンの分離に成功したチームに決まりましたね。
炭素分子の発見としてよく知られているのは「カーボンナノチューブ」です。
日本を代表する物理学者の飯島澄男教授が1991年に発見したものです。
熱伝導や強度を利用して半導体になりうる「カーボンナノチューブ」の発見は素晴らしいものでした。
グラフェンはナノチューブが炭素分子であるのに対し、原子のレベルだということ、それが今回の物理学賞につながったのです。
炭素原子が六角形に並んだ層の重なりは、バッキーボールやナノチューブのような丸まった形状をとらないと、
層が崩壊してしまうと考えられていました。
しかし、ノーベル賞を受賞したAndre Geim氏とKonstantin Novoselov氏はあきらめず、
単層のグラフェンを分離する方法を発見しました。
セロハンテープとグラファイト(黒鉛。鉛筆の芯に使われる素材)です。
グラファイトは層状構造を取っており,そのうちの1枚の層がグラフェンと呼ばれる。
六角形の網目状に結合した炭素原子のみからなり,厚みは炭素原子1個分しかない。
Geim氏らはセロハンテープにグラファイトの薄片を貼り付け、
テープの粘着面で薄片を挟むように折り、再びテープを引き剥がすことを繰り返すことによって
薄片を剥がしていくことで、グラフェンを得たそうです。
気が遠くなるような地道な過程を経て今日の発見に至ったのです。
世界が惜しみない賞賛を与えた発見でした。
私ごとですが、高校生の頃、物理は難しかったですね〜。
実家の近所の先生に物理を教わっていたのですが、
多分、その先生でなければ単位は危なかったですね。感謝してまーす。
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