木炭案内人

木炭雑学「力士の明荷」

柿渋の臭いを嗅いだ事がありますか?
柿渋はまだ青い柿をつぶして発酵させて作るのですが、くさーいんです。
柿渋を塗ることで紙の表面が丈夫になることは知られています。
焼き鳥やさんや、焼き肉屋さん、鰻屋さんなど木炭を使うお店で
火力を調節するために風を送り、また、鰻の匂いでお客を誘う?ために
団扇が使われますが、よくみかけるあの赤い団扇は渋団扇といって
柿渋が塗布してあります。表面はつるつるで固いのですが、お値段は高い!
でも丈夫ですからお高くても使っておられる方は多いですね。
和傘などにも塗ってありますが、あとは力士の持つ「明荷」という柳行李に塗ってあるそうです。
力士が十両に昇進すると、この明荷を持つことができ、化粧廻しなど、身の回り品を入れている。
明荷は、竹と柿しぶを塗った和紙、べんがら漆で作られている竹行李で、
外側は濃厚な緑色、横に朱色でしこ名が書かれている。
かつては旅行つづらとして一般の人々にも使われていたが、今では相撲界だけに残り、
力士の付け人が初日に支度部屋に明荷を運び込み、千秋楽に相撲部屋に持ち帰ります。
ちなみに行司も十両格以上は明荷を持てるそうです。
柳の行李もすたれてきてしまいましたが、何を隠そう私は柳の行李に傘を括りつけて
嫁入りしました。今も柳の行李を使っていますが、むれないし丈夫です。
力士も明荷を見ながら腐らず辛抱することを覚えていくのかもしれません。
油紙 渋団扇
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