木炭活用講座1


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「木炭の基礎知識から」


■木炭の用途には…

近年、使い方が多様化し、私たち業者も知らないような使い方まで出てきました。
燃料用はもとより、水道水をおいしくするもの、ご飯をおいしくするもの、天ぷらをカラッと揚げるもの
床下に入れるものなど書いたら、キリがなくなるぐらいあります。
窯から出る副産物の灰は、野菜のアク抜き、畑の肥料等に大活躍しています。
木炭そして灰の使い方は、本一冊楽に書けるぐらいあります。
これからもどんどん増えると思われます。

■木炭の種類には…

木炭の種類は、分類の仕方で大きく分かれますが、
ここでは簡単に生産地、炭化方法、樹種別で説明させていただきます。
まず生産地は、北から岩手(日本一の生産量)、和歌山、四国、九州南部そして千葉があります。
中でも紀州(和歌山)の備長炭は、日本を代表する有名な生産地です。
量と質では岩手ナラ切炭が有名です。
木は空気が少ない状態、または密室の状態で外部から熱を加えると熱分解を始めます。
これが木から炭に化ける工程で"炭化"と言います。この炭化の方法によって、
白炭(備長炭)、黒炭と言い分けるのです。



左・黒炭窯に火を入れた初期段階。原木の水分を抜いている。 右・地元黒炭窯の前にて。

■白炭(備長炭)ってこんな木炭

背丈の高い窯で焼きます。窯の高さに湿度が比例するので、
古生層の耐火性の強い粘土岩石が必要になります。
白炭は炭焼き(むし焼き)の仕上げ段階で、一気に窯の中に空気を入れ、
高温(1100〜1200℃)にします。
これを"ねらし"と言います。


便長窯のネラシ段階。窯内の温度は1000度を軽く越えている。

真っ赤になった灰を窯から素早く取り出し、
灰と土そして水を少々混ぜたものをこの灰にかけ冷やします。
炭は急激に冷え、表面に灰がつき、
炭白色をしていることから「白炭」と言われる由縁です。
白炭は硬く、たたくとキンキンと金属音がします。
火力が強く火持ちがよいことから、
焼鳥屋さん、蒲焼屋さん等でもてはやされております。
白炭には、カシ白炭、岩手には、ナラ白炭が有名です。
山陰地方では、クヌギ白炭があると聞いております。


南房竹炭10年ほど前は当店のみが販売していたが、
現在では生産者、販売業者は無数にある。

■黒炭ってこんな炭

白炭の窯外消火法に対して、黒炭は窯内消火法です。
簡単に言えば、真っ赤になった窯のたき口(入口)、
煙道口(煙の出口)を密閉するのです。
こうすると火消つぼの中に炭火のように、
窯の中の火は消え、窯は次第に冷えていまきす。
冷えたところでかま口を開くと、中に木炭ができ上がっているという具合です。
平らな窯が多く、温度は800℃どまりで、
質的には柔らかな木炭となります。一般に使用されているのがこの黒炭です。
木の種類が大変多く、カシ、ナラ、クヌギ、松、クリ、杉、白樺、つばき、
雑木とバラエティーに富んでいます。


当店のマキ職人さん。玉切りが終わりマキ割りをしているところ。

■それぞれの違いと使い分けのコツ

白炭は料理用、黒炭は燃料用が基本です。
白炭がなぜ料理用なのかといいますと、強い火力が長い時間一定しているからです。
渋うちわであおぐと表面温度が1000℃にもなります。
あおぐのをやめると、表面に薄く灰ができ、火力は衰えます。
うちわ一つで火力を調整できます。
備長炭の灰にはカリ(カリウム)が多く、重く、飛散しにくく、
この灰(セラミック層)層を媒体として熱は遠赤外線となり、
肉の中まで入っていくと言われています。
黒炭は樫木のカシは、真冬の火鉢用、囲炉裏に多く使われ、
ナラも上に記した使い方をし、重宝がられています。
クヌギは焼きあがりのよいものは、茶道用にと使用されて、一般のものは
火鉢によくよく使用されております。
松は火持ちが悪いのですが、空気を送り込んでやると高温になり、
不純物が少ないので、刀を作る時に利用されています。
栗は同じく空気を送ると高温になり、しかも安価なことから、鍛冶屋さんがよく使用します。

■始めるにあたって、これだけは用意しよう

まず頭に入れてほしいのは、火は大変怖いものだということです。
便利な反面、使い方を誤ると大惨事になります。
ゆえに、炭火を使用する前に安全な場所かよく確かめ、バケツに水を入れたもの、
または消火器を脇に置くぐらいの心構えが必要です。
そして、用意するものとして、七輪、アミ、新聞紙または
着火剤、うちは(できれば渋うちは)、火箸、木炭そしてあなたの好きな食材です。
これで準備は整いました。

次はいよいよ実践篇に入ります。お楽しみに。

木炭活用講座2


「さあ炭に火をつけてみよう」
火を起こすことは、そんなに難しいものではありません。

■実際の方法

@着火剤を使うやり方。
Aガスコンロの上に"火おこし"をのせるやり方。
Bガスバーナーで直接炭に火を当てるやり方。
C七輪に古新聞を入れ、その上にクズ炭を入れて
火を起こすやり方等があります。

この中で一番簡単に火を起こせる方法としては、
Aですが、ここではCを選びました。

「セットの仕方、火起こしの仕方、火起こし時の注意などなどで」
まず着火を容易にするため、
大きい炭は金づち等で少々くだいて使うといいでしょう。


くず炭と新聞紙を丸めたものを最初に入れてつけ木にします。

七輪の底に古新聞をまるめて入れてください。
その上にクズ炭を入れ、
七輪の下についている空気取り入れ口の窓を
いっぱいに開けます。
そこにライターまたはマッチ等で火を入れます。


バ−ナ−で火をつけます。

古新聞に火が着いたのを確認したら、
空気を入れてください。
クズ炭に火が入れば、
あとは炭をつぎ足しすればよいのです。

ここで注意しなければいけないことですが、
炭は空気中の湿気をよく吸収します。
いきなり炭を強火にすると、
内部の水分が急激に膨張し爆張(爆発)する可能性があります。
よって、ゆっくり温めてから水分を飛ばしてください。
つぎ足しの基本は、「夏下冬上(かかとうじょう)」が基本となります。
夏季は新しい炭を火のついた炭の底の方に入れ、
冬季は新しい炭を火のついた炭の上の方に入れてください。
爆張の予防策です。木炭コンロ(左)9号使用  2800円(消費税、送料別)

 

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