木炭案内人

「木炭の話 灰神楽」

「灰神楽」はご存知ですか?
火鉢にかけていた鉄瓶に水を入れすぎて口の部分から
沸騰したお湯がしゅっと飛び出すとどうなるか?
灰に湯がこぼれ、ぼっと灰が巻き上がります。
これが「灰神楽」です。
神楽というのはご存じのとおり、神様に奉納する舞踊りですが、
装束が歌舞伎の「連獅子」を思い描いて頂くと近いと思います。
昔の人はまきあげられた灰の中に神秘的なものを見たのでしょうね。

宮部みゆきさんの小説に妖しい物語だけ集めたものがありますが、
その中に「灰神楽」という題のお話があります。
灰神楽に魅入られ、毎夜見つめていた女中が刃傷沙汰を起こし、
捕えられた後で突然死してしまう。彼女が使っていた古火鉢を
借りて帰った十手持ちが家で灰神楽を立ててみると、
外廊下を痩せさらばえた足の妖しいものがすっと通って・・・

布団の中で読んでいた私は正直震えあがりました。(+_+)
私の家も古いので外をぐるっと廊下が回り、障子で仕切られているだけなので・・
結末についてはどうぞ小説をお読み下さい。

ちなみに子供の頃、鉄瓶のお湯があふれるほど入れて灰がまき上がると
「神楽だ」なんて思うよりも先に、汚れるので怒られていましたけどね(^.^)
雛火鉢
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