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「木炭こぼれ話 古典の時間」

寒くなるとコタツが恋しくなりますね。
昔、コタツといえば、「掘りごたつ」でした。
コタツは室町時代の末頃、文明年間以後にでき、
「コタツというものは近頃できたもので、
以前はモノに腰掛けて火鉢に木炭をくべて
足を暖めたものである」と骨董集に書かれています。
こちらではまだ「掘りごたつ」のある家もあり、
お嫁に来た当初、「あの家ではコタツを切った」
と言われた時にはなんのことかと思いました。
「掘りごたつ」にするためには、
床下を最初から切っておく必要があるのですね

コタツを使う日というのが昔は決まっていて、
神無月(10月)の亥の日が良いとされていました
亥はイノシシ。摩利支天の使いとされ、
この日にこたつ開きをすると火事にならないそう
元禄期に芭蕉、西鶴と併称された文豪、
近松門左衛門の「心中天の網島」でも
「十月中の亥の日にこたつを開けたお祝いに」
というくだりがあるそうです。
コタツは普段、フタをしてあって、
その日に開けて木炭に火を入れる訳です。
堀ごたつ
***近松門左衛門***
本名は杉森信盛ですが、通称は巣林子(そうりんし)
平安堂などとも号しました。
長州 萩の出身で、京都に住みました。
歌舞伎狂言、浄瑠璃、人形浄瑠璃などの
脚本を書き「曽根崎心中」「心中天の網島」
など傑作を残しました。
享保9年(1724)大阪で72歳で没しました。
11/2は近松忌(巣林子忌)となっています。
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